めぐる季節の約束とつないだその手のぬくもりと

めぐる季節の約束とつないだその手のぬくもりと
ストーリー

小さな頃のことは、殆ど覚えていなかった。
いや、もう皆無と言って良いだろう。
遠山昭は綺麗さっぱり何も覚えていない。
だけどそれは生きていく上で何か支障があるわけでもなく、
彼にとってはさして深刻なことでは無かった。
彼の周りには腐れ縁の友人がいて、楽しい先輩と後輩がいて、
割合普通の、平凡だけど幸せな学園生活を謳歌していたのだから。

そんな彼がある日訪れた遊園地の跡地。
かつては人に賑わい、今は廃墟と化してしまったその場所。
一匹の猫に導かれるようにそこにやってきた昭はそこで、
有るはずのない光景、沢山の人に溢れ、喧騒に包まれた遊園地の光景を幻視する。
そして……。

わすれていた『おもい』。 わすれていた『ねがい』。 わすれていた『記憶』。

遠い遠いあの日の『やくそく』を果たすため、
止まっていた昭の時計は再び動き始める。